スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ツンツン玉

この物語は、私が毎月お世話になっているオープンマイク、CRAB APPLEの参加メンバーで先日伺った、栃木県のとある商店街のイベントの後日談のようなものである。(という体で)





栃木県上三川商店街でのよるマルシェから数日後、
我々クラブアップルズはとあるシェアハウスで合宿をしていた。
各自の部屋があり、共有のリビングがあり、
そこかしこで練習したり集まって喋ったり、
自由に過ごす日々であった。

ある朝、エマクロあっきーが私を部屋まで起こしに来た。
買い出しに行くから、と言う。
私はすぐ支度する、と言って起きたのだが、左腕にわずかな刺激を感じた。

見ると、黒いマッチ棒のような形をしたものが、くねりながら私の腕を這っている。
全長1cmくらいだが、それが通ったところが刺されたようにわずかに痛い。

「なにこれ、虫みたい!気持ち悪い!」
と騒いでいると、あっきーが何事かと部屋に入ってきた。
ティッシュペーパーを手に取り、ふたりでその生き物を潰そうとするのだが、なかなか頑丈で潰れない。
何度か試みて、それはやっと動かなくなった。

幸い腕には刺された痕などは残っておらず、痒みや痛みも残っていなかった。


身支度を整えてリビングに行くと、郵便物が届いていた。
差出人は上三川商店街のおばあちゃんだった。
A4サイズの封筒がひとつと、出演者それぞれに宛てられた小さな封筒。

私は自分宛ての封筒を開けた。
中には暗号のような文面の書かれた紙が一枚入っているだけだった。

大きな封筒は、アップルズ共通の内容だったようなのでそちらも見てみると、
色とりどりの地図のような絵が描かれた紙と、冊子が入っている。

冊子の内容はこうだ。


『ツンツン玉の使い方』

ツンツン玉とは次世代のプレゼント郵送方法のこと!
大きな荷物でも封筒ひとつで送ることができ、受け取った方は謎解きを楽しみながらプレゼントを取り出すことができる、魔法のようなサービスである!

1、同封のヒントを元に、地図のなかから該当する場所を探し当てよう!

2、見つけたら、そこにツンツン玉でピンを刺そう!

3、正解すると地図からプレゼントが出てくるよ!
地図上には同じ色の場所がいくつもあるので、ヒントをたよりに謎を解こう!

※ツンツン玉は正解の場所に刺すと、自ら穴を掘るように地図にもぐっていきます。
3回以上間違えると力が弱くなってプレゼントを掘り出せなくなるので、注意!


ツンツン玉の見本として、マッチ棒のような形のピンが3色ほど載っている。

うーん、あれこれ、どこかで見たような…?


私へのヒントは黒に関する内容だった。
が、肝心のピンが無い。

他の人宛ての封筒は、少し膨らんでいるようだが、私の封筒には紙切れ一枚しか入っていなかった。

嫌な予感がする。

「あっきー、私の部屋に来る前に、この封筒触った?」
「うん、俺が受け取ってそこに置いたんだけど」
「………そっか」

なんということだ。
確かについ先ほど、この目で黒いツンツン玉を見た。
私はすべてを悟った。


きっと私の封筒は封が甘くて、届いたときに開いてしまったのだ。
そして飛び出したツンツン玉があっきーにくっついて私の部屋に来たのだ。
プログラム通りにプレゼントを掘ろうとして、私の腕を刺してきたのだ。
それを虫かなにかと勘違いされて、潰されてしまったのだ。

ジーザス…
プレゼントはもう受け取れない。
私の黒いツンツン玉は死んでしまった。

地図からプレゼントが出てくる瞬間を想像してみる。
ああ、夢みたいな瞬間!
とっても、見てみたかった。


どのおばあちゃんが送ってくれたのか、まるで思い当たらないが、
私は、開封を待つ膨らんだ封筒を、羨望の眼差しで見つめるしかなかった。





そんなハリー・ポッターみたいな事が実現したら、すごいよねー
スポンサーサイト

プロフィール

hanako umemoto

Author:hanako umemoto
シンガーソングライター梅本華子が徒然なるままに綴るゆめうつつ

最新トラックバック

カウンター

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。